開催趣旨
本ワークショップは、戦後補償運動を日本の市民社会が支え、それが「戦後日本の戦争責任論」にも変容を促していく日韓市民社会の共同作業の実践的意味から、「日韓連帯」が育んできた信頼と紐帯、規範と価値を見出す試みです。
戦後の東アジアにおける日本の市民社会の「脱帝国化」に向けた取り組みは、1970年代から80年代にかけて、かつて植民地であった韓国や台湾における民主化運動への「日韓連帯運動」としてあらわれました。やがて「日韓連帯」は韓国の民主化とともに過去のものとされます。「民主化」の実現による「日韓連帯運動」の政治的役割の終焉は、国境を越える公共圏として象徴的イメージを構築することなく、「日韓連帯」に断絶をもたらす結果となりました。
冷戦終結後、韓国の民主化が活性化させた「脱植民地化」の課題としての歴史問題は、日本帝国に戦時動員された旧植民地の被害者が発する声に日本の市民が応答して戦後補償運動として再びあらわれます。1990年代以降、韓国の戦争被害者や遺族団体が日本の国家賠償と謝罪を求めて自ら提訴するようになり、それに日本の市民社会が連帯したのです。
これら二つの時期における「日韓連帯」の連続性ついて政治社会学的な意味を見出すことができれば、「日韓連帯」の断絶を超えて国家暴力による犠牲に異議を唱える「トランスナショナルな公共圏」のありかを指し示してくれるはずです。
日時:2023年1月27日(金)17:00–19:00
場所:北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院 メディア棟407会議室